「‥女……………。」
と秋が小さく呟けば、
「本当、女の嫉妬ほど醜いものはないよ。」
と皮肉めいた口調でいい放った直也。
するとちょうどその時幹部部屋のドアが開き
「由莉の容態が分かった…ッ!!」
そう叫びながら部屋に入ってきた弘樹。
「どうだった?」
とみんなが詰め寄れば、
「脳に異常はないって、脳震盪は起こしてるかもしれないけど。」
その言葉を聞いて安心する俺たち。
「でも…指麻痺するかもって…」
「「えッ!?」」
「俺も詳しい事は聞けなくて、芯さんが出たんだけどすぐに‘夜琉が…’見たいな事言い出して勝手に電話切られちまった。」
「………。」
指が麻痺―……?
それはどういう意味で…
動揺してしまった心はなかなか正常には戻らなくて。
「とりあえず、姫さんは無事なんよな?」
南月が強く弘樹に聞いた。
「ぁあ。」
「なら、今俺たちが出来る範囲の限られた事をするしかないんちゃうか?」
そう南月は俺を見据え言ってきて。
ハッとさせられた。

