=キング of ビースト=3




「‥女……………。」


と秋が小さく呟けば、


「本当、女の嫉妬ほど醜いものはないよ。」


と皮肉めいた口調でいい放った直也。


するとちょうどその時幹部部屋のドアが開き


「由莉の容態が分かった…ッ!!」


そう叫びながら部屋に入ってきた弘樹。


「どうだった?」


とみんなが詰め寄れば、


「脳に異常はないって、脳震盪は起こしてるかもしれないけど。」


その言葉を聞いて安心する俺たち。


「でも…指麻痺するかもって…」


「「えッ!?」」


「俺も詳しい事は聞けなくて、芯さんが出たんだけどすぐに‘夜琉が…’見たいな事言い出して勝手に電話切られちまった。」


「………。」


指が麻痺―……?


それはどういう意味で…


動揺してしまった心はなかなか正常には戻らなくて。


「とりあえず、姫さんは無事なんよな?」


南月が強く弘樹に聞いた。


「ぁあ。」


「なら、今俺たちが出来る範囲の限られた事をするしかないんちゃうか?」


そう南月は俺を見据え言ってきて。

ハッとさせられた。