電話をかけると
「はい。」
と亮はすぐに出た。
「亮…今どこにいる?」
『学校、どうかした?』
「いや、亮は由莉を突き落とした奴分かるか?」
そう聞けば深く考えたように問い返す。
『全く、犯人分かってないのか?』
「恥ずかしいけどね、全く何の情報も上がってこない。」
『って事は、犯人は夜琉さんとも由莉とも接触をしてないってことか。』
こういうかなり鋭いところが広斗さんとやっぱり似ていると思わせられる。
「そう言うこと。」
『俺が知ってるのは由莉の親友から聞いた情報で3年の女、ってことだけ。』
「華月の3年の女…それだけ分かれば十分だよ。ありがとう。」
これだけ分かればもうチェックメイトだ。
この後少し話してすぐ切った電話を見ながら緩む口元。
それを見ていた南月が
「璃玖さん口元気持ち悪いですわぁ~。何か分かったんかいな?」
と軽い口調で聞いてきて
「華月3年の女。」
と俺は答えた。

