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「璃玖に怒鳴るなよ!!璃玖なりに二人の事は考えていただろうしいつかは那妃ってバレる事は分かってただろッ!」


そう言って庇ってくれた紅雨には本当に申し訳ないけど…今回ばかりは先の事をしっかり考えきれなかった俺が悪い。


「今回、バレるだけじゃなかっただろうがッ!由莉はケガしてんだぞっ!一番の問題点はそこだ。

下を見てみろよッ!那妃が大ケガしたって事で動揺して、夜琉だってここにいない。璃玖は夜琉と由莉の重要さを図り間違えてたんだよ!」


改めて人に言われて分かる事の重大さ。


「ッ…‥!」


俺はなんて失態を犯してしまったのか。
一番してはいけない失態。



本当は……逃げたい。
この責任から、弱いバカな自分から逃げたい。




………―――けど、



逃げるわけにはいかない。

責任は後でちゃんと取る。
だから今は、今しないといけない最優先事項を的確な指示で完璧に確実にこなす。



それで自分がしてしまった失態を許して貰おうと思ってない。

でも―――……





自分でした過ちを、人に拭わせる訳にはいかないから……


副の俺が逃げるわけにはいかないから―…





だから今は自分を奮い立たせ、自分のしてしまった過ちを解決に導かせる。



――――――絶対に。