そのイライラを華月の先生にぶつけても無駄。
そんな事をどこか冷静に思っている璃玖もいて、すぐに紅雨と華月を後にした。
門のところには別の車が用意してあって、先に夜琉を連れて帰った芯の配慮だ。
この時璃玖と紅雨は、夜琉は倉庫に戻っていると思っていた。夜琉自身倉庫に戻るつもりだった。
だが芯は、
『夜琉―…辛いのは分かる。だがトップのお前が揺らいでどうする?今のお前は倉庫に行くな。
今お前はできる限り由莉さんの側にいろ―…。』
と言った。
それに何も言わなかった夜琉をそのまま由莉が運ばれた病院に連れて行った。
だから、倉庫に戻った二人は夜琉がいないことに驚愕するが
「おい、どういう事だよ!!」
代わりに久しぶりの弘樹がいた。
紅雨の電話で仕事中にも関わらず、すぐに駆けつけた弘樹は二人よりもさきに倉庫についていたのだ。

