無事に下に降りた夜琉を見て
「ちッ」
璃玖珍しく舌打ちをして、
(何があったんだよ…!?)
苛々する気持ちを抑え、夜琉の急ぎようを見て、自分も窓枠に手をかけた。
すると隣でも紅雨が窓枠に手をかけていて、ほぼ同時に飛び降りていた。
軽々3階から飛び降りた三人の身体能力を伺うが、紅雨は着地した刹那
「ぅえ、」
足の裏に衝撃が走った。
やはり3階からは高いすぎる。
それでもすぐにたち直し、二人の後を追いかけた。
追いかけながら、学校を辞めて働いている弘樹に電話を入れ、
「ゆうゆうに何かあったらしい、倉庫に来て!!」
と言って弘樹の返事も聞かず電話を切った。
ベンツに乗り込んでいた二人に合流し、紅雨は芯さんが運転している車に乗り込んだ。
そこでやっと璃玖と紅雨は由莉に何があったのか知る事になる。
もうスピードで走る車の中、璃玖が
「夜琉。」
と低くいい放った。
まるで早く説明しろと言わんばかりの顔をして。

