夜琉が電話に出ると、かなり焦った様子の亮が
『夜琉さんッ!!』
何かを必死に伝えようとしていて
『すいませんッ!!由莉が―…』
でも言葉を切った亮に嫌な予感がしてならない夜琉は有無を言わせない強い口調で
「早く言え。」
どすを聞かせて言いはなった。
それでもなかなか口を開かない亮に夜琉は、
「亮。」
名前を呼んで急かす。
とうとう口を開いた亮は信じられないような事を言って、夜琉の心を乱した。
『由莉が…階段から落ちて…今から救急車が来ます‥。』
弱々しい口調の亮の言葉を聞いた瞬時夜琉は電話を切りながら
「ちっ!!璃玖ッ直ぐに芯呼べッ!!華月に行く。」
騒がしかった教室に怒声をあげていて、静まりかえった教室は今までにない、夜琉のキレた姿を見て、誰もが震えがった。
ただ璃玖だけは、
「芯さんッ!!今すぐ車を黒峰にまわして下さい!!」
すぐに携帯を開き、芯に連絡を入れていた。
「夜琉ッ、華月ってゆうゆうに何があったんだよッ!!」
その間にも華月に行くと聞いた紅雨は夜琉に問いただすが、
「ちッ!!」
と舌打ちをした後、
「璃玖、紅雨急げ。紅雨は弘樹にも連絡入れろ。」
と言うと窓に手をかけた。
「夜琉!!ここ三階だぞッ!!」
そう焦ったように声をかける璃玖は夜琉を止めようとしたが、夜琉は窓から飛び降りて、
「「夜琉!!」」
叫んだ二人を気にする事なく、地面にスタッと身軽に着地した。