携帯を見ると、皆が怒りを表す。

だが1人だけは、瞳に色を映さず機械のように的確に判断する男―――情報管理長の侑がいた。


素晴らしいくらい早く、寸分の狂いもないように頭を回転させ、その場にいる面子達に的確に指示をだす。

今まで張り巡らせていた情報網を使い、瞬時に情報を得ようとした。


だが、やはり難しい―…‥。


こうしていくうちに時間だけは刻々と過ぎていくー―‥。


―――――――


少し時間を戻して…由莉が倒れたと亮から連絡がくるほんの少し前の黒峰。



いつもどうりの全く変わらない1日で、一つ違う事と言えば夜琉の機嫌がすこぶる悪い事。


夜琉は機嫌が悪いというより―…嫌な予感がすると言っていたが、本当に夜琉の読みは正しかった。


五月蝿い教室の中夜琉は苛々とした態度を隠すことなく出しており、


(由莉チャン絡みじゃないのに感情を素直にだすなんて珍しいな―…。)


そう璃玖が思った時だった。


隣からバイブ音がしたかと思えば、夜琉が携帯をだし顔をしかめた。


(嫌な予感がする―…)


その夜琉の表情を見た時、妙な胸騒ぎを覚えた。


この予感は見事に当たった。