「俺が知ってるのは由莉の親友から聞いた情報で3年の女、ってことだけ。」


『華月の3年の女…それだけ分かれば十分だよ。ありがとう。』


「いや、夜琉さんどうしてる?」


『ぁあ、今は恐ろしいくらいに大人しいよ。由莉ちゃんの運ばれた病院に芯さんといる。』


「そっか…、由莉はどうだったか聞いてるか?」


『いや…まだ検査から帰ってきてないらしい。』


「無事だといいけど…。じゃあ犯人分かったらまた連絡して貰っていいか?」


『勿論だよ、じゃあね亮。』


「璃玖も頑張れよ。」



切られた携帯からは虚しい機械音しかしなくて、自分の気持ちを表しているようだった。


でも一番辛いのは俺じゃないんだ。


そう自分に言い聞かせて、今自分ができる事を全力でしようと思った。


あの璃玖に情報が全く上がってこない、まだ犯人を特定するのに時間はかかるだろう。


それまでは……



千佳を見とかないと。


犯人が分かり次第、俺も動き始めようと決めた………‥。