すると紅雨が


「やっぱ宴会の準備だったんだぁ。ちょっと雑音聞こえたから颯達が準備してると思ったし。」


と言うと颯わ困ったように笑いながら言った。

「本当わ、もう少し由莉さん達が元気になったらするつもりだったんですけど。」


「他の奴らが、待てないって言った訳だ。」


「はい。」


そう言った会話をしている2人わ仲が良さそうだった。



そうやってぼけーっと広間を見ているうちに着々と進んでいく準備。


「ねぇ、夜琉。」


「ん?」


「これってさぁ、私達の為の宴会だよね。」


「…。」


「…。」


「…ああ。」


「…手伝おう。」


そう思ってみんなのところに行こうとしたら、夜琉わ私の腕を掴んだ。


何も言わずに私を見てくる。


澄んだ漆黒の瞳わ不安げに揺れていて


「~~っ」


無表情な夜琉の瞳だけわあまりにも切なくて。



思わず涙が一粒こぼれ落ちた。