職員室に着くと直ぐに保険医が由莉の元へ向かい、救急車が呼ばれた。


職員室に由莉の事を知らせた俺は、携帯を片手に取りだし


『夜琉さんッ!!』


直ぐに夜琉さんの携帯に連絡を入れた。


『すいませんッ!!由莉が―…』

そこで言葉を切ってしまった俺。


『早く言え。』


そう言われても何て言ったらいいかわからなくて。

由莉が階段から落ちました?
それとも
救急車で運ばれます?

どっちにしても夜琉さんはキレそうで。

意識を失うぐらいおもいっきり強く階段を落ちたということは、誰かに突き落とされたしか考えられないから。

もっとヤバイ事になりそうで。

それでも

『亮。』

有無を言えない口調に

『由莉が…階段から落ちて…今から救急車が来ます‥。』


口を開いてしまった。


すると夜琉さんはもう携帯を耳から話したようで、


ツーツー


と電話を切られた。

電話が切られる寸前、

『ちっ!!璃玖ッ直ぐに芯呼べッ!!華月に行く』

そう、怒声が聞こえたのは嘘だと思いたい―…。


夜琉さんが怒声をあげる程の事態で、夜琉さんも直ぐに分かったのだろう。


誰かに突き落とされた、という事を――――…