亮が由莉を助けにいってくれる。


そう思ったら安心感が出てきて、気が遠くなっていく。


それでも、由莉の無事だけは確認したくて、

下の方から聞こえる声に耳をそばだてた。


「ぉい!!由莉ッ!!大丈夫か!?」

必死に亮が声をかけるが由莉はなかなか返事をしてくれなくて。


また涙が出てくる。


お願い…私から由莉を奪わないで…ッ
もう誰も失ないたくないの…

そう思っては怖くなる。


「頼むッ、返事しろょ!!」


「…。」


「由莉ッ!!」


「…り、ょう……」


由莉の掠れた力のない小さな囁き声が聞こえた時、私は意識を飛ばした。


「ー…よかった!!先生呼んでくるから待ってろッ」