だから、許さない。
由莉は“仕方のない事”って笑ったけど、笑えないから。
なんとしてでも、アイツに自分のした過ちを償わせるから。
だから…
だからこれ以上、自分を責めるのは止めてよ…ッ……!!
由莉は何一つ悪くないんだからっ…!!
――――――
「だって誰かに‘由莉’って呼ばれた気がしたんだもん。」
少しむくれたような言い方が面白くて、由莉がどんな表情をしているのか気になって、足元にあった視線を由莉に向けた時だった。
視界の片隅に、3年生を意味する学年章のバッチが目に入ってきて、気持ち悪いくらいに歪められた口元。
“許さない…っ!!”
その低い声と共に3年生の肩まで伸びた髪とスカートが揺れた刹那、その女は強く由莉の背中を押した。