「歌わない…」


「は?」


「恥ずかしいし…。」


本当にはずい…。
確かにカラオケ行きたいって言ったのは私だけど…夜琉と2人になりたかっただけだし…。


「バカか。俺しかいねぇだろーが。」


…それが恥ずかしいんだけど。

「分かってる。夜琉から歌ってよ。」


「俺は歌わねぇよ。」


「えー聞きたい。」


「…。」


夜琉はマイクをソッと置いて

「歌いたくないなら歌わなくていい。」

そう柔らかい口調で言った。


だけどなんか申し訳なくて、謝った。


「ごめんね。カラオケ行きたいって言ったの私なのに。」


「気にしなくてぃい。」


なのに全く怒らない夜琉。
それどころか柔らかくなる口調。