ため息を吐いた時、ちょうど下でバイクをいじっていたらしい紅雨と芯さんに呼ばれていた夜琉が幹部部屋に帰ってきて
「由莉、どうした?」
「ゆうゆうどうしたの?ため息吐いて。」
と二人同時に声をかけるものだから、ついクスッと笑ってしまった。
「どうもしてないよ。夜琉、今日は早く帰りたい。」
「ぁあ。」
「何でぇ~帰らないでよぉ。」
「ごめんね、ちょっと頭痛くて。」
季節の変わり目に弱い私は風邪を引いたのか、体が少し怠い。
頭が痛いと聞いた刹那、夜琉は間髪いれずに
「帰る。」
と言って私の手を取った。
「ゆうゆう大丈夫?なら仕方ないよね、早く元気になってね。」
と言った紅雨に手を振って、璃玖達にも挨拶をして芯さんの車に乗り込む。