「由莉ー-ーっ!!」


と叫ぶ声が聞こえて振り向こうとしたら、体に何かが引っ付いた。


まだまだ残暑が残る日、暑い。

「千佳退いて。」


と言えば、私の親友はふてくされ気味に離れた。


でもすぐに怒った顔をして


「由莉っ!!どうしてあんなに連絡とれなかったのっ!!私心配して家まで行ったのにっ!!!!!有志さんも莉菜さんも笑って誤魔化すけど、辛そうにしてた!!!」


と言ってきて。

お父さんもお母さんも千佳も私を心配していてくれたんだと改めて知る。


千佳にいたってはあんなに連絡してくれてたしー…。


始業式の今日、千佳に会うのはかなり久しぶりで。
あの電話をして以来だ、声を聞くのは。メールはしていたけど。


夏休み中には会うつもりだったけど、どちらも予定が合わなくて、結局始業式の今日になってしまった。



「本当に心配したんだから…」

今にも泣き出しそうな顔に声。

「ありがとう、千佳。心配してくれて。」


「当たり前だよ、心配するに決まってる。でもあんなに連絡取れなかった理由ぐらいは聞かせてもらうから。」


「もちろん言うよ。」



と私が言うと千佳は“当たり前じゃない”と言って笑った。