「家族って自分にとって一番難しい位置にいると思うの。」
そう言って少し寂しそうな顔をしたゆうゆうはきっと志音の事を思い出しているのだと思う。
「一番近くにいるから分からなくなる。…ーどれだけ大切な存在なのかを。失って初めて気づく。」
「うん。」
「すぐには気づかなくても、ずっと後に気付くときもある。」
「…。」
「気づかないままの時もあると思うの。でも家族の存在って忘れる事が出来ないと思う。」
「…―そうかも。」
「それが大切な存在でも、憎い存在でも、どうでもいい存在でもー-‥忘れる事なんてない。」
「…。」
「だって同じ血を同じ遺伝子を持った人達じゃない。世界に何人かの人達だからー…家族だからー-ー…
見えないモノで繋がっているのー-‥。」
本当にその通りだと思う。

