呆れた顔をした璃玖はため息をついていた。


「璃玖、腕どうした?」


「あぁ…ちょっとな。」


と言ってはぐらかした璃玖に広斗さんは


「ここにいる無紅狼にヤられた。それにしても夜琉…お前あんま返り血浴びすぎだ。」


「…。」


夜琉は何も言わなかったが俺を鋭い目つきで見てくる。


ぁあ…こいつの目好きだ。

全てを拒絶して闇に落ちて堕ちた瞳。


俺と同じような気がして、むしろ俺よりも深い闇にいるようで…親近感がわく。


「夜琉お前どんだけ相手にした?」


「…。」


「…はぁ。それ全部返り血って殺してないよな?夜琉は本気で人殺しそうで怖いな…ここにいる無紅狼に喧嘩の仕方習えよ。無紅狼は相手の血を一滴も流させないからな。」


そう言って笑った広斗。


でも俺にとっては笑い事じゃない。
無紅狼と呼ばれるようになったのは…
相手の血を流させないのには…


ーーーー…ちゃんと理由がある。