俺に名前はタブー。
雪を殺した事を咎める名前に、触れたくない。
触れる度に自分が憎くて憎くてたまらない。
さっきから何も答えない俺にもう一度雅は同じ事を聞いた。
でも俺は教える気なんて、ないーー…。
「あんたなんかに教える訳ないだろ?」
そう俺が言った刹那、空気が凍りついた気がした。
でもすぐに
「てめぇ…雅さんに何言ってんだよっ!!」
下っ端の方から怒声が聞こえ、野次が飛ぶ。
璃玖の方からはため息が聞こえ“俺知らないから”と言っているように聞こえた。
雅が後ろから聞こえる野次に振り返る事なく右手をスッと上げれば聞こえなくなる声。
静かになった公園に
「へぇ…言ってくれるじゃん。」
雅の声だけが響く。

