だけど突然、
ピリリリリリー
と機械音がなり出した。
俺じゃない、と思った時には
「はい。」
と璃玖が携帯を取り出し、電話に出ていた。
普通今の状況で電話にでるかよ。
そう思ったら一気に怒りが引いていく気がした。
ーー…はぁ、馬鹿らしい。
俺は璃玖から視線を外し、ベンチに腰掛けようとしてベンチを見るとーーー
「ちっ!!」
…見事にへこんでいた。
仕方なく地べたに腰を下ろす。ポケットから携帯を出した俺は今日泊まる所を探す為にアドレス帳を眺めていた。
今日は女の所はパスだな。
気分が乗らない。
色々考えながらアドレス帳を見ていた俺は璃玖のビックリしたような声で顔を上げた。
「はっ?」
「ーーー」
「取り合えず夜琉、那桜加公園に来い。」
「ーーー」
「俺が広斗さんに連絡いれとく。」
「ーーー」
「ああ。じゃあな。」
と電話をきった璃玖と視線が合った。

