そう言った刹那、突然背中に衝撃がはしった。
「ーっ!!」
本当に一瞬の事で、何が分からない俺は反射的に前のめりになる体を足で踏ん張った。
「ーー…俺の前から消えな。」
低くそう言う声は俺の背後から聞こえてきて、璃玖が俺の背中に蹴りを入れたんだと理解した。
ーーーー速い。
ついさっきまで俺の前にいたくせに瞬時に後ろまでまわったのかよ。
「わりぃけど、那龍の事言われたら抑え効かないから。」
まじで何なんだよ…っ!!
くそっ…んな那龍を大切にしている感じがムカつく!!
俺にはない大切なモノを守ろうとする姿勢が苛つくんだよ!!
そう激しい怒りに包まれた俺は
『ドンッ!!』
回し蹴りをしていた。
「へぇ、やるじゃん。」
そう言った璃玖は全然余裕そうで、でも俺の足が当たった肘らへんを押さえていた。

