幸せになろうとするのが、幸せになりたいともがく自分が馬鹿馬鹿しく思えた。
生きる希望を失った気がしたーー…。
そう思った瞬間に、涙は止まり今まで白黒に映っていた世界が、何の色も持たない無色透明になった。
目を開けた俺に怖いモノなんてなかった。
失うモノさえない俺に恐怖という感情はなくなった。
ただ、呼吸をしているだけの人形になったような気がして笑いが零れた。
自分が可笑しくなったのが、分かった。
今まで、めんどくさい事には巻き込まれないように慎重に生きてきた俺が、
「那龍だって?笑わせんなよ、糞がっ!!」
暴走族に喧嘩を売ったのだからーー…。
そこら辺にいる不良に喧嘩を売るのと、暴走族に喧嘩を売るのでは訳が違う。
暴走族に喧嘩を売るなんて、自殺行為だー…。
でも気づいた時には遅くて。
無意識に口走った言葉で俺は、死にたいと体が訴えて居るような気がしたー…。

