さっきの爆音が嘘だったかのように公園は、閑散としている。
「はぁ…。」
と溜め息が聞こえる。
まだこの公園にいる璃玖が吐いたモノだろう。
でも俺にはどうでもよくて。
俺はただ、雪を想う父さんを思い出していた。
父さんは何も言わないけど、きっと俺の事を憎んでいるんだろー…。
父さんから雪を奪って産まれてきた俺が…産まれてきてしまった俺にー…
ー…紅の雨と名付けたのかも知れない。
憎しみの現れが、俺への咎めが、名前になったのだろう。
そう思うとさらに目の奥がツーンとなって熱いモノが姿を見せる。
でも俺はそれをこらえようとはせず、ただ流れ落ちていくモノと一緒にこの複雑な気持ちも流れていく事を切に願った。
バカみたいになにも知らずに生きていきたかったー…。
さっきの奴らみたいに、守りたいモノが、仲間が、欲しかったー…
でももうー…
ーーーー俺には無理なのかもしれないー…っ

