=キング of ビースト=3




何で涙が出てきたのかなんて知らない。

でも心が限界だ、と言って居るような気がして。


声にならない叫びが、涙となって零れたのかもしれないー…。


ゆっくりと瞼を閉じる。



するとそこには見たことのない女性が写っていて、とても綺麗に微笑んだような気がした。



(雪ー…?)


誰だったかは分からないけど、俺の母親のような気がしたー…。


「じぁあ、俺と雅は倉庫に帰るわ。璃玖はどうする?」


「俺は…もう少しここにいます。」


「ああ、分かった。気ぃ付けろよ。」


「はい…。」



そう聞こえたのを最後にまた2つのバイクの音が遠ざかって行った。