=キング of ビースト=3




俺、こんな所にいていいのかよ、と思わせられる程の話の内容で。


何故か羨ましいと思った。

仲間や女を大切にしているこいつ等にはきっと俺は適わないだろうなー…。


「じゃあ、俺も引退するわ。」

「え?雅さんもですか?」


「ああ。俺は広斗にしかついて行く気はねぇし。広斗が那龍を出るなら、俺も那龍を出る。副になったときから決めてた事だ。」


「はっ!!言ってくれるじゃねぇか、雅も。やっぱ最高のダチだよお前は。」


ああ、本当に羨ましいー…。


俺とは、全く違う人生を歩んで。楽しそうに生きているこいつ等が、羨ましいー…。


気づくと頬には涙が流れていて。


(俺も、まだ泣けるのかよー…。)


そう思ってはまた涙が零れた。