「深く深く濃い紅の血ー…。
真っ赤な紅の血ーー…っ」
「…っ!!」
気持ち悪いぐらいの紅い紅い血ー…。
何で紅の雨?
っていつも、小さい頃からずっとずっと思っていた…。
『気持ち悪い』とも『怖い』とも言われてきたーー…。
だから聞いて見たんだ、父さんにー…。
聞かなければと、何度も後悔した。
「俺がまだ小さい頃父さんに聞いてみたんだ。『何で紅の雨なの?』ってね。」
ゆうゆうはずっと真っ直ぐ俺を見てきて。澄んだ目は俺を捕らえて離さない。
「『紅雨は紅雨のお母さんが、雪が命をかけて産んだんだ。雪は元々体が弱かった。だから、お前を産む時に血を吐いて、還らぬ人となったーー…。雪が紅雨の為に流した血を忘れて欲しくなかったんだ。紅雨は、雪の紅い血を浴びて産まれてきたからー…雪が命をかけて産んだ事を忘れないでくれ』ってねーー…。」
「っ!!」

