=キング of ビースト=3




本当は、俺が璃玖を助けてあげたかった…。


でも俺の言葉では、璃玖は前に進めなかった訳でーーー


「何やってるんだろう…。」


1人小さく息を吐いた。


2人でいる幹部部屋はかなり広く感じて。



弘樹の大切さを知ったー…。



弘樹の引退式はまだだけど、弘樹はもうほとんど倉庫には来なくなって。


寂しさを感じる。



「紅雨、ありがとう。」



不意に璃玖が本当に穏やかな声色で言ってきた。

意識を他の事に向けていた俺は何の事か分からなくて


「何が?」


気づけばそう聞き返していた。