本当は、俺が璃玖を助けてあげたかった…。 でも俺の言葉では、璃玖は前に進めなかった訳でーーー 「何やってるんだろう…。」 1人小さく息を吐いた。 2人でいる幹部部屋はかなり広く感じて。 弘樹の大切さを知ったー…。 弘樹の引退式はまだだけど、弘樹はもうほとんど倉庫には来なくなって。 寂しさを感じる。 「紅雨、ありがとう。」 不意に璃玖が本当に穏やかな声色で言ってきた。 意識を他の事に向けていた俺は何の事か分からなくて 「何が?」 気づけばそう聞き返していた。