車は無情にも俺の目の前を走り去って行った。
ちぇっ!!
夜琉も少しぐらい俺を気にかけてくれてもいいのに!!
そう思いふてくされながら倉庫に入る。
すると下っ端は俺に挨拶をして来てくれて。
やっぱり夜琉とは違うなぁ‥と思いながら幹部部屋に入るとーーーーー
「お帰り、紅雨。」
ーーとても穏やかな顔をしている璃玖がソファーに座っていた。
「えっ!?何で璃玖がいんのっ!!」
「帰って来たからに決まってるじゃん。」
「ってか、ゆうゆうと2人でどこ行ってたの?俺超暇だったのにっ!!」
「ごめんごめん。親父の所に行ってた。ほら、由莉ちゃんの事を知るために行ったとき親父と約束したろ?」
「あ!!あの『ゆうゆう見つけたら璃人さんの所に連れて来い』ってやつ?」
「そう、それ。」
そう言って会話をする璃玖の顔は本当に楽しそうで。
何故か悲しくなったーー…。