夜琉は直ぐに幹部部屋を出て行った。


私は立ったままだったので紅雨が座っている机を挟んで反対側のソファーに座った。


「ゆうゆうにとって、家族ってどんな?」



紅雨が言ったとは信じられないような質問に、難しい質問に頭を傾げた刹那夜琉がバイクで倉庫を出る音がかすかに聞こえた。


「家族ね…。」


うーん、となっている私を紅雨は真面目な顔をして見て来た。

ここから始まる会話は紅雨の過去で。

でも、


『大したことじゃなかった』


と笑った紅雨は本当に強い心を持っていた。


本当に大人びた顔をするのが似合わない紅雨が大人びた顔をするのが、何故か悔しかったー……。