…ーーピアス。



とても綺麗なデザインで、輪っか型。金色でトラストとアルファベットで穴が開いてあり、横には小さなシルバーストーンが埋め込まれてあった。



でもなんでピアスー…?


ふと思った疑問を璃人さんに聞く。


「どうしてピアスだったんですか?私の耳に穴があるってなんで知ってるんですか?」


だって、私の耳に穴が開いてるって知ってる人は居ないと思ってたからーー…


普段はピアスをつけないし、髪は常に下ろしている。


「ん~志音の願いだったから…。」


「え?」


「志音の願いだったの。」


「…。」


もう、意味が分からないー…


「志音が開けたんでしょう?由莉ちゃんの耳に穴を。」


「…はい。」


「その事を志音から聞いたのー…。その時に由莉ちゃんにピアスをあげたいって言ってたから。」


「…。」


「由莉ちゃんは耳に一度もピアスを入れた事ないんじゃない?」


「はい。一応。」


穴を空けた時、お兄ちゃんと約束をしていたのだ。


『俺が由莉に第一号目のピアス買ってやるよ。それまではピアスつけんなよ。』


『はいはい。分かったから。』

とーーー……。


果たされる事のなかった約束だが、私は今までその約束を守っていた。普段は透明ピンをつけて。


今はしっかりと穴が出来ているから、透明ピンをつけていないが、塞がらないようにたまに透明ピンを付けている。