○由莉視点に戻ります○
璃人さんの話しを聞いて、こんなにも苦しんでいた志音に気づいてあげられなくて、
こんなにも私を想ってくれていた兄を知って、
苦く辛い想いと、心暖かい想いが混同していた。
俯き流れてくれる涙を必死に耐えた。
私が泣いちゃいけないー…
つらかったのは志音の方なのに、自分の中のどこかで自分が一番辛いと思っていたー…。
そんな私を見ながらも、璃人さんは話を続けた。
「葬儀場に行ったの…。」
璃人さんの震える声は儚げだった。
「志音の葬儀の参列者はかなり多くて、予想通りだった。
志音はかなり慕われて居たんだと思う…みんな悲痛な色を浮かべていたから。」
確かにそうだった。
あまりに多い参列者の数に式場に人は入りきらなくて。
有り得ない人の数に葬儀場の係員も困惑するほど。
私もそこで初めてあんなにも兄がみんなから慕われて居ることを目の辺りにした。

