「璃人には感謝してる。」
「…。」
「苦痛だった通院も、あんたのお陰で楽になった。璃人がなんで女装しているのかに関しては何にも言わねぇけど。一つだけ。」
「何?」
「ありのままの自分を忘れるな、よーー…。」
「それ、どういう意味だよ。」
「ふっ今までありがとよ。これ由莉にあったら渡してくれっ」
「…。」
フッと笑った志音は柔らかくさっきまでの弱さが嘘のようだった。
志音から聞かされた事実は信じたくなくて。
でも後日、一面に乗った新聞の記事で信じられなかった事実が信じざるを得ない事実となった。
『男子高校生めった刺しにされ死去』
一面の新聞記事の題名を破り捨てたのを覚えているー…。

