世界が急に色褪せて、モノクロな世界になったーー…
志音の諦めたような声が、何を言っているのか理解出来なくて。
意味が分からなくて。
信じられなかった…。
信じたくなかったー…。
「未来は残酷だ…。
…ーー未来に金堂志音はいない。」
そう呟いた声は震えていて、自分に言い聞かせるようだった。
「なんで…。なんで…っ!そんな事言ってるんだよ!!」
女装をしているのに、口調は男になっていて。我を忘れてしまった。
強く反論する俺に志音は
「守りてぇんだー…。」
大人びた顔で嬉しそうに、でも悲しそうな口調で言った。

