志音にわざわざ記憶が飛んだ事を思い出させるような事を言ってしまった…。
そう思ってやるせない思いでいっぱいになった。
「とりあえず、ここ出ようぜ。」
と言った志音はスタスタと歩きだして。
俺も後に続いた。
病院を出た俺達が行ったのは、24時間営業のファーストフード店だった。
席に座ってから、口を開いた志音からは信じられないような事ばかりが述べられる。
「別に信じてくれなくてもいいー…。」
志音はそう言って話し始めた。
「璃人は、未来が見えた方がいいと思うかー…?」
「は?意味が分からない。」
「そのまんまの意味だ。答えてくれ。」
「そりゃあ、見えた方が楽なんじゃない?」
「例え、知りたくない悲惨な未来が見えたとしても…?」
「…。」
「…。大切な奴らが…っこの世から去る未来が見えたとしても…?」
「…。」
「…っ自分の居ない未来が見えたとしても…?」
震える声は弱々しく、例え話なんかじゃなかったー…。

