no drug no future

床より一段高く作られている居間に、靴を脱ぎ上がる。

リョウ「んじゃ、まずは酒乾杯しよっか?」

皆「いえぇ〜い!!」

丸い一つのテーブルをみんなで囲い乾杯をした。

そこにはクッションが何個も無造作に置いてあり、踊り疲れた私たちにとっては最高の環境だった。

薬がまだ効いているのか然程冷たくもないビールが美味しくて仕方が無い。

お酒を飲むと、さっきまで衰えていた薬の効きがじわじわとゆるく復活してくる。

気がついたときには、皆のテンションもあがり、小さな異空間は騒ぎ声で溢れていた。


「そろそろいっちゃう?」

リョウさんの友達が言う。

丸いテーブルの上にパケ袋が置かれる。

草かな?と覗き込むとそれは白い粉だった。

リョウさんはパケをあけ無造作にテーブルに粉をこぼす。

それを慣れた手つきでお札でライン(粉の線)を引く。

リョウ「はいっ!まずはレディーファーストね♪」

私は斜めに切られた短いストローを渡される。

私「えっ?なんですか?これ?」

リョウ「コークだよ!初めて?30分くらいしか効かないけど、めっちゃアガルよ〜♪」

私「えっ?いいんですか?ありがとうございます!」

私は説明されながらその粉を片鼻から一気に吸い込んだ。

初めてのコカーーだった。