車の向かう先は、大空小児病院。俺はここに10歳の頃からお世話になっている。
俺の担当医はこの病院の亮先生。亮先生は28歳という若さだが、腕はピカイチにいい医者だ。本来ならば、喘息なんかの患者の担当医になるはずはないが、俺の兄貴秀兄と亮先生は親友で、そのよしみで俺の担当医をしてもらっている。
いつものように秀兄から連絡を受けた、亮先生は看護婦さん引きつれて病院の玄関で俺が来るのを待っていた。