君を想えば

「明日は学祭だね〜…。」

「だなぁ。」

勝也は相変わらず人の部屋でくつろいでいる。

「明日は康介来るかな?」

「知らねー。」

「だよね〜…自然消滅って、

こんな感じなのかな?」

「知らねーって。」



花火は康介と一緒に見る。

約束したから。

康介が、

私を誘ってくれたから。




今どこで何をしているの?

どうしていきなり、

連絡が途絶えちゃったの?

毎日同じことしか思ってない。

康介に逢いたい。。。



チリーン…と風鈴が鳴った。

私達の終わりを告げる小さな合図かもしれない。

でも私は諦めない。

絶対に諦めない。



「明日もし康介が来なかったら、

俺が一緒に花火見てやるよ。」

「無理。

南ちゃんと見なよ。」

「なんで?」

「花火は好きな人と見た方がいいって!」

「南よりお前と見たい。」

「………。」



出た出た。

勝也お得意の、

私中心で世界が回る。

勝也と一緒に見て南ちゃんに誤解されるくらいなら、

1人で見た方がよっぽどましだ。