君を想えば

スウェットに着替えた康介が、

どかっと私の隣りに座ってきた。

一気にドキドキが増す。

煙草に火をつける康介。

そして煙草を吸う康介。

全部の康介を焼き付けたい。

これからの記憶を全部、

康介一色に染めたい。

そう思った。



にしても距離が近い…。

教室の席とは比べものにならない。

肩がすでに触れている。



「ね…ねぇ!!」

「あ?」

「これってブラックライトでしょ?」

「あぁ。つける?」

「うんっ!!」


カーテンを閉め、

ブラックライトのスイッチを入れた瞬間、

世界が変わったかのように思えた。

すごく幻想的で、

すごく落ち着いた。



「なんか綺麗〜。」

「夜はいっつもこう。」

「案外オシャレじゃん。」

「うるせーし。」


康介のプライベートの一部を垣間見た感じで、

すごく嬉しかった。




その時だった。





康介が私の肩に頭を寄せた。

煙草の煙りが目に痛い。





「お前と居ると落ち着くな。」

「私も。」




幸せって、

きっとこうゆうことなんだ。

康介と寄り添っているだけで、

私、

すっごく幸せだ。