「なによ、いいでしょ!私の誕生日なんだから」


「第一、なんでその犬を選んだんだよ」



(未設定)は視線を犬へと移した。


犬は(未設定)を一点に見つめている。


その表情はどこか寂しそうだった。



「だって……」


「その犬が気になりますか?」



(未設定)の言う先を省くように、店員が声を掛けてきた。