「手出して。」
そう言われたあたしは、大概くんに向け手を差し出した。
大概くんは差し出したあたしの手を取り、自分が付けていたブレスレットをあたしの手首に付けた。
「交換。」
そう言って笑った大概くんは、チームメイトに呼ばれてみんなの所に走って行った。
大概くんが走って行ってしまう後ろ姿を見送っていると、大概くんは急に止まり振り返った。
すると、あたしのあげた手首のブレスレットを指差し“ありがとう”と言い残すと、再び走って行った。
あたしも“ありがとう”言い返した。
手首からは、少し前まで大概くんが付けていた温もりを感じた。
あたしにとって、そのブレスレットがかけがえのない現実をリアルに受け止められるものとなった。

