「アズ、捜したんだよ!今までどこにいたの?」
教室に戻ると、ユウちゃんは何も言わないで急に飛び出していったあたしを心配し、すぐに駆け寄ってきた。
「ねぇ、アズ聞いてるの?何があったの?」
半分放心状態のあたしを見て、ユウちゃんは鋭く察した。
「大概と何かあったんだね。
…わかった、ゆっくり話し聞くから、とりあえず帰ろう。」
いつの間にか授業はとっくに終わり、放課後になっていた。
面倒見のいいユウちゃんは、すでにあたしの分までの帰り支度を終わらせ、あたしの戻りを待っていてくれたのだった。
ユウちゃんの家まで歩いて15分の道のり。
これからユウちゃんに話そうとしている話は、とても15分では終わりそうにない話しだが、夢なのか現実なのか分からない曖昧な状態のまま、あたしは教室を出てからの話をユウちゃんに話し始めた。

