「ハンカチ、本当にありがとうね」 先に言葉をかけてくれたのは大概くんのほうだった。 「どうして…私だってわかったの…?」 大概くんの気遣いに自然と言葉が甦った。 「さっきいたあいつ。 あいつが、上村さんが俺のユニフォームの上にハンカチを置いていく姿を見たって教えてくれたんだ。」 「なんか、試合負けたし格好悪いとこばっか見られちゃったな…。 見に来てたって事は、応援してくれてたんでしょ。ごめんね、俺のせいで負けちゃって…。」 そう言った大概くんの顔からは、笑顔がなくなっていった。