愛ガ降る




姿をあらわしたのは、大概くん。
その姿に会場が一気に盛り上がった。



「大概くん頑張って!」心の中で叫んだつもりが、無意識に口に出していた。



沢山の声援に紛れていたはずだが、一瞬大概くんの視線がこっちを向いたように見えた。



ホイッスルの合図で打ち込んだボールは、一瞬のスピードでゴールギリギリで惜しくも弾かれてしまった。



相手チームが一斉に歓声で湧き上がった。



ゴールを見つめ、呆然と立ち尽くす彼の姿は、まるでそこだけ時間が止まっているかのように見えた。