スタンド席に居た女の子達は、栗色の髪の先をオシャレに巻いていたり、短いスカートによく似合う細くて長い足の子達ばかりだった。
そんな子達に騒がれたら、大概くんだって悪い気はしないだろう。
「…大概くんに彼女がいたって不思議じゃないよね。」
気持ちを引きずるあたしに、すかさずユウちゃんはあたしの手を引いた。
「まぁ、今日は試合見に来たんでしょ!始まっちゃうから行こう!」
会場の中は、決勝戦ということもあり興奮が伝わってくるほど盛り上がっていた。
フィールドでは既にそれぞれのチームが並んでいて、まさに今から始まろうとしているところだった。
さっきまでモヤがかかったような気持ちとは一転し、その中でも一際目を惹いてしまう黒い髪を見つけてしまうと、気持ちの興奮が甦る。

