「ずっと…あずがいた。
消防士になった俺は“行ってきます”と家を出て“ただいま”と家に帰ってくる。
そんな場面には、決まって必ずあずがいた。」
大概くんはそう話すと、真っ直ぐな眼差しであたしを見ていた。
「…あたしが…?」
「平凡だけど、すごく温かい家庭があって、俺は幸せだった…。
俺はあずに、そばにいるって言ったけど、本当は俺のそばにあずがいてほしかったんだ。」
「…だからこれからも、ずっと俺のそばにいてほしい…。」
大概くんはそう言って、あたしの体を力強い腕で引き寄せた。
2度目のキスはとても熱く…これからの2人の未来への固い無言の誓いとなった。

