「今日は、娘に散々付き合わせてしまったね。
陸くん、良かったらこのまま家で夕飯でも一緒にどうかな?」
「そうよ!良かったら食べて行って。」
お父さんとお母さんは、大概くんに感謝するかのように夕飯に誘った。
大概くんにもそんな2人の気持ちはちゃんと伝わっていた。
「ありがとうございます。そのお気持ち…本当に嬉しいです。
…でも、今日は母がもう用意して待っていると思うので、そろそろ失礼します。」
…そうだった、大概くんはお母さんと弟さんの3人なんだもんな…。
こんな時でもお母さん思いな姿に、大概くんらしさを感じた。
「陸くんは優しいのね。
じゃあ、今度また改めて来てちょうだい。」
「その時は喜んで。」
大概くんはお母さんの言葉に笑顔で答えた。
あたしは帰ってしまう大概くんに寂しさを感じ、少しがっかりした。

