愛ガ降る




「陸くんったら、あずまが目をさますまでここに居させてほしいって、真剣だったのよ。
凄く心配してたんだから…。」



そう思い出しながら話すお母さんの顔は、穏やかに笑っていた。



「それじゃあ、華奈を1人、家に残してきたから、今日のところはお母さん家に帰るわね。
お父さんにはあずまの事連絡したら、出張切り上げて早めに帰って来るって言ってたから、明日また来るわね。」



そう言うと、お母さんは家に帰って行った。



病室に1人になると、思い出すのはやっぱり大概くんの事だった。



大概くんはあの時グラウンドに居たはずなのに、どうやって知ってあたしの所へ駆け付けてくれたんだろう…。



心配して、ずっとあたしのそばにいてくれてたんだな…。



そう考えると、記憶が途切れていた時間が惜しく、不謹慎と分かっていながらもちょっと嬉しさが込み上げてきた。