「しゅ、秋仁さんが悪いんじゃ・・・なくて・・・・私も全然気がついてなくて」

「うん」

優しく頭を撫でてくれる。

「今日貧血になって・・・保健室で休んでたとき・・・遥に指摘されて・・・」

「うん」

「全然考えてなかったから、す、凄く怖くなって・・・」

「うん」

「誰に言えばいいのか、わ、分からなくて・・・ごめんなさい。ごめんなさい」

「・・・誤らなくていいよ」

背中をポンポンとしてくれる。

「柊子。ひとつだけ約束して」

「や・・くそく?」

「ん。これから先、悩んだとき、迷ったとき、俺に相談して」

「え?」

「なんて言っても、あんまり力になれないかも知れないけど、できるだけ俺に話して」

「い、いいの?」

「何が?」

「め、迷惑じゃない?」

「全然」

「呆れたりしない?」

「呆れたりなんてしねーよ。もっと話してくれたほうが俺としては、嬉しいんだよ」

バッと顔を上げて秋仁さんを見る。

「ほ、ほんとに?」

「ほんとに」

優しく微笑む秋仁さんの言葉が嬉しくて、また涙が溢れた。

「・・・ほんと、泣き虫だよな」

「・・・うぅ~、だってぇ~」

秋仁さんにしがみ付いて、しばらく泣いてた。


落ち着くまで、私の背中をずっと撫でてくれて。


あなたを好きになって本当に良かった。

心からそう思った。