「はぁ・・・信用ねぇなぁ。しかも、何で雷太に聞くんだよ・・・」

顔を上げて矢崎さんを見ると、寂しそうな顔で私を見てて。

「だって・・・」

怖くて。

俯いて何の言わない私の頭の上に、温かい手の感触。

そっと顔を上げると、ふわっと笑って優しく抱きしめられた。

「・・柊子も分かってると思うけど、俺ってむちゃくちゃやってきたし、女に対しても適当だったから柊子が不安になるのもわかるんだけど・・・・」

頷くことも出来なくて。

「だけど、柊子の事は本当に大切に思ってるから」

その言葉に胸がぎゅうってなって。

矢崎さんの背中に腕をまわした。

「・・・ごめんなさい」

不安ばかりで、矢崎さんの気持ちを信じ切れなくて・・・変な妄想ばっかりで・・・ごめんなさい。

矢崎さんをちゃんと見てれば、わかったはずなのに。

大事にしてくれてること・・・わかってたはずなのに・・それなのに。

「私は・・・・」

「ん?」

「矢崎さんの隣に居ても・・・いいの?」

こんな、お子様な私が矢崎さんの側にいることは彼にとっていいことなのか。

ずっと、ずっと、思ってきたこと。

ぎゅっと回してる腕に力を入れるけど・・・答えが怖くて手が震える。




「・・居てくれないと・・・困る」

予想外の言葉に胸がきゅうってする。

「柊子の居ない生活は考えられなくなってる。柊子がどう思ってるかわからないけど・・・俺の心の中の大部分を占めてるよ。自分でもどうしたのかって思うくらい・・・な」


いいの?

「だから、もう、俺から離れようとか思ったりすんな」

あなたの側にいても。



「うん。・・・うん。」

返事をするのが精一杯で、でも、心は温かくて。

こんなに思ってもらえてたなんて。


「俺のほうが心配なんだけど・・・」

矢崎さんがぽつりと言った。