「良かったねぇ・・・柊子ちゃん」
ハッとして隣のレジをみると、おじさんが不適な笑いを浮かべていた。
「目が、ハートになってるよ・・若いっていいねぇ」
・・・人の事を見て思い出に浸らないで欲しい・・。
「電話きたら、今日はあがっていいからね」
「あ、はい」
なんだか、恥ずかしいなぁ。
それからの時間はあっという間に過ぎて行って・・・7時を過ぎた頃矢崎さんから電話がなった。
「も、もしもし」
コンビニの休憩室の中で電話に出ると
『もしもし?終わった?』
矢崎さんの声にドキドキする。
「はい」
『じゃ、出てきて』
出てきて?
「え?」
『外にいるから』
うそ・・・。
慌てて鞄を持つと、電話を片手に持ったまま
「おじさん、行きますね。お疲れ様でした」
声をかけた。
「はいはい・・・ヒヒヒ」
・・・ヒヒヒって何?
突っ込みたい気持ちを抑えて、コンビニをでると車が止まってた。
「柊子ちゃん」
助手席の窓を開けて、声を掛けてくれたのは大好きな矢崎さんで。
携帯を鞄に閉まって車のドアを開ける。
「おじゃまします」
いつ乗っても緊張する。
矢崎さんは毎回「お邪魔します」と言うのが面白いのか、いつもクスクス笑ってた。



