「と、とりあえず座っていい?」
私の言葉に2人ではっとして、
「おお・・・食べようぜ」
ライ君が言った一言で
「いただきます」
3人で手を合わせて、朝食をとる。
「そろそろ時間じゃない?」
のんびりコーヒーを飲んでる2人に言うと
「あ、やべ」
「お、ほんとだ」
慌てだした。
「片付けはやっておくから、行って?」
キッチンに食べ終わったお皿を運びながら言うと
「いいのか?」
自分の食べた皿を運びながら矢崎さんが言う。
「うん。朝食作ってもらったから、後片付けくらいしないと・・・」
「いい心がけだぞ、柊子」
ライ君・・・お父さんですか?
・・・早くコーヒーのみ終わったほうがいいんじゃないの?
心の中で突っ込んでみた。
2人は急いで準備をすると、ライ君が先に車に向かう。
「じゃ、行ってくる。・・・ごめんな。連れていけなくて」
ちょっと困った顔をする矢崎さんに
「ううん。大丈夫。いってらしゃい、気をつけてね」
笑顔で返す。
「じゃ、・・・ちゅっ」
はうっ。
朝からチューしちゃった。
恥ずかしくて下を向く私の頭をポンポンとして、矢崎さんもアパートをでた。
あ、朝から心臓に悪い。
ちょっとの間、玄関でボーっとして。
「・・・よし!後片付け~」
気合を入れてキッチンにむかった。